概要
2030年代の実現を目指しているBeyong5G/6Gに代表される次世代サイバーインフラの研究開発は一国だけで実現できるものではなく、また、その出口としての産業利用に関しては、基本となる要素技術や周波数利用の国際標準化(あるいはプレ標準化)の連携が必須となります。特に3GPP, ITU, ETSIなどの標準化プロジェクトや標準化組織の拠点がある欧州と我が国の連携は最重要となります。
本プロジェクトが最大に成功した場合は、北欧の情報通信機器ベンダーと産学連携のあるOulu大学と、日本国内の通信事業者との国際産学連携拠点が形成され、欧州とアジアにおける同志国をはじめとする産学連携のCOEの形成が期待されます。近年、経済安全保障に資する研究開発への期待が生じているが、学術界はオープンリサーチを目指し、産業界もコスト低減の観点からはシングルグローバルスタンダードを望む声が大きいと考えています。このように近未来のグローバリゼーションは一筋縄では進めることが難しいため、学術界が経済安全保障の意義を適正に理解しながら、我が国における安全安心な未来社会システムを創成するための学理を推進する方法を確立する必要があり、地政学的に同様なフィンランドと日本が核となる産学連携戦略拠点COEを形成することは重要な意味があると考えられます。
取り組み
国際産学連携の戦略
両国には強力なグローバル企業が存在しており、大学をハブとした国際産学連携の素地を形成することが可能です。特に日本にとっては北欧の通信機器ベンダーとの連携は必須であり、国際標準化や周波数利用合意などで重要な役割を果たすことができます。また本分野は国の電波政策にも大きく関わるところであり、法制度のあり方を両国の国際連携で議論することは非常に重要です。
地方創生ユースケース実証
山梨県との連携協定により、富士山における安全安心な観光を実現するためのローカル5G実証実験を現在も進めておりますが、衛星通信とローカル5Gの連接実験では共同研究者であるOulu大学Matti Latva-aho教授がGlobal Fellowとして実験に参加し、山梨県主催の国際シンポジウムにも登壇しており、本研究プロジェクトにおいても同地域でのOulu大学との共同実験を予定しています。フィンランドではラップランド等の僻地において通信不感地帯としての地域課題を抱えており、Oulu大学との連携では、地域社会のためのカバレージ拡張の実証実験を計画し、ローカル6Gの地方自治体でのカバレージ拡張による遭難者救助、防災減災の課題・社会実装における連携を進めます。
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